おぼうさんはよくみんなから「ゆうれいっているの？」って聞かれるよ。お墓（はか）があるから、お寺にはゆうれいがいるって思っているおともだちが多いみたいだね。 じゃあ、しつもんだよ。みんなはお化けとゆうれいのちがうところはわかるかな？こたえは「お化け」は出るところがきまっているけど、「ゆうれい」はきまっていない、なんだ。 　ゆうれいは、出るところがきまっていないから、もしみんなが外国にいってもついてくるんだよ。でもさ、どこにでも出るってちょっとへんだよね。なんでだろうね。
じつはね、ゆうれいはどこにでもいるし、どこにもいないんだ。なんだそれっ！？って思うかな。 　みんなは「えいがかん」に行ったことがあるかな？えいがかんは、えいががはじまる前は明るいよね。でも、明るいままじゃえいがをみることはできないんだよ。知ってた？えいががそこにうつっていてもみることができないんだよ。 　夜になると空に星がみえるでしょ？でもね、星は昼にもほんとはあるんだけど、明るすぎてみえないんだ。
	えいがの話にもどるよ。明るいままじゃえいがをみることはできない。そしてね、明かりをだんだんくらくしていくと、スクリーンにえいががみえてくるんだ。 　おぼうさんが言いたいのはね、ゆうれいっていうのはみんなの心にうつった「えいが」だってこと。心がくらくなるとゆうれいのえいががみえてくるんだよ。　 　だから、ともだちといっしょのときや、ゆうえんちであそんでいるときにはぜったいにゆうれいは出ないでしょ？ゆうれいが出るのはじつはみんなの心の中なんだよ。だからみんなが「いる」と思うとどこにでもいるし、「いない」と思うとどこにもいないんだ。
こわいこわい、と思っていたり、自分がわるいことをしたな、と思うときに、みんなの心がだんだんくらくなってゆうれいの「えいが」が心にうつってくるってわけ。 　だから、いつもともだちとなかよくあそんでいる人や、お父さんお母さんのいうことをきちんとまもる子にはぜったいにゆうれいは出ないんだよ。 そういう子の心にはいつも楽しい「えいが」がうつっているんだ。 これからも、もっともっといい子になって楽しい「えいが」をたくさんみようね！

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